神戸製鋼の強さの秘密 ~  レガシー活動

WE'RE BACK!!





2018-2019シーズンの日本選手権優勝
神戸製鋼コベルコスティーラーズ。
今年の神戸製鋼の強さを語るときに外
せないのが「レガシー活動」です。(※1)

創部90年、過去には7連覇の偉業を達成
している神戸製鋼。

この活動は、チームの歴史、会社の歴史を知ることがチームに対する誇りや愛情を育むことにつながるという考えから実施。
初めてとなる今回は、鉄鋼メーカーの心臓部であり1995年1月17日に起こった阪神淡路大震災の2ヶ月半後に復活し「復興のシンボル」と言われた神戸製鋼所神戸製鉄所の第3高炉へ。

株式会社神戸製鋼所。
阪神淡路大震災の時には工場が止まり、練
習グラウンドが液状化しました。
神戸製鋼コベルコスティーラーズの日本選
手権の優勝も止まりました。

製鉄所の生命線ともいえる高炉が停止した
ものの、所員の努力で短期間で復活、神戸
再建のシンボルであり、ラグビー部ととも
に市民の支えでもありました。

高炉の復興から遅れること5年、1999年に
神戸製鋼コベルコスティーラーズは、日本
選手権制覇に返り咲き。
まさに WE'RE BACK!!  でした。

製鉄所の作業員らが高炉の復旧を目指して奮闘した話を聞いたダン・カーターは「彼らが会社のためにしたことを聞いて感動した」。
自身が育ったNZのクライストチャーチが11年に大地震に見舞われたこともあり、自分のことを顧みずに尽くしたスチールワーカーの逸話に心動かされた。
(※2)

レガシーに敬意を表し、チームの力にし
ていく活動は徹底していました。

練習グラウンドは「第3高炉」、相手をはね返す防御は「スチールウォール(鉄の壁)」と名付けた。
震災発生時に高炉を守るため、ショベルカーで突入した作業員に敬意を表し、各試合のチーム内最優秀選手にはその作業員の名を冠する「田中賞」としてショベルカーのミニチュアを贈るようになった。
(※3)

それ以外にもOBとの懇親会に選手が参加
し、歴史を聴くことで、自分たちが着る
赤いジャージへの想いを深めていきました。
前主将の橋本大輝選手(31)はこう語り
ました。

芯が通った。一人一人がきついことから逃げない『スチールワーカー(鉄工所工員)』になろうとやってきた
(※3)

選手にも徐々に「会社のため」「チームの
ため」という思いが芽生える一方で、社員
やOBもチームを応援するようになったと
いいます。まさに「一体で」チームを盛り
上げていきました。

そして、日本選手権。
強いスチールワーカーの意志を継ぎ、従業
員と一緒に戦うつもりで挑んだ日本選手権
決勝。選手の発案で選手は入場の時にウィ
ンドブレーカーの下に作業服を着て入場し
ました。(※2)

DCの襟元から見える白い襟が作業服


大柄なパックマン選手もしっかり着用


ウィンドブレーカーの下から作業服
さらに作業服を脱ぐと赤の神戸ジャージが



そして2度目の WE'RE BACK!! を手にし
ました。それはマスコミで騒がれる名将、名
プレーヤーだけではない、チーム・会社を
始め、チームに関わる全ての人が一丸となっ
て手にした優勝だったのでした。

(※1)
4月25日(水)「レガシー活動」を行いました
https://www.kobelcosteelers.com/news/information/2018/04/180425-info.php

(※2)
ラグビー神鋼、
真のプロフェッショナルが導いた栄冠
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39025290X11C18A2000000/

(※3)
ラグビー神鋼、名門復活の凱歌
レガシー見つめ直し結束
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201812/0011908712.shtml

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